不完全な円を愛して、blankは進む
blank誕生からもうすぐ2年!
入口のドアを開けた瞬間、ふわっとただようパンの香りとコーヒーの湯気。空間を穏やかに満たしてくれる、あたたかい光。

バカンスグループのカフェ部門 blank パンとコーヒーとワイン が誕生して、6月で丸2年。
「日常の余白=blank」を思い思いに過ごしていただきたいという気持ちでオープンしたこの場所ですが、「blank=余白って何だろう?って、実は最近ずっと考えてるんです」と、店長の中川。
1周年のタイミングでも取材をさせてもらった彼女に、まもなく2周年を迎える“今の景色”を聞きに行きました。
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「バカンスな時間」をご自宅以外でも
blank パンとコーヒーとワイン走ってきたというより、歩いてきた
「本当にあっという間の2年でした。走ってきたというより、歩いてきた。そんな気持ちです」
そう言葉を選んだ中川。実は昨年も「お客さまと歩ませていただいている」と話していて、そこに彼女やblankの真摯な姿勢が見てとれるような気持ちになりました。
昨年の取材時は始動直後だったパンバイキングも、今ではありがたいことに多くのお客さまに足を運んでいただく人気のメニューに育っていきました。
さらに、新たにモーニング営業をスタートしたり、バカンスグループ3号店として今年3月に誕生したばかりのFarm to Bakery バカンス の食パンを使ったカフェメニューを作ってみたりと、試行錯誤の日々を重ねてきました。
パンバイキングは想像以上に好評で、満席になってしまう日も少なくありません。「うれしい大盛況ぶりが“余白”のあり方に問いを投げかけてくれることにもなりました」。
歩いてきた2年間の中で、気付かないうちに落としてきたものもあるかもしれない。だから今は少し立ち止まって、落とし物を拾う最中でもあるといいます。
パンの一つひとつをもっと輝かせてあげたい
新鮮な神戸産のお野菜やこだわりのコーヒーはもちろん、なんといってもblankの主役はバカンスのパン。その魅力をバイキングでどう伝えていけばいいのか、いまblankでは模索している最中です。


「ランダムにパンが入れ替わっていくので、どんなパンなのか伝えきれていないこともあります。もっと一切れ一切れを主役にしてあげたいというか、輝かせてあげたいという気持ちがありますね」
また、スタッフ自身がパンのことを製造過程まで知識を深めることで、お客さまにより魅力をお伝えできるかもしれない、という話も。「 “また来よう”ではなく“また来月も来よう”と思っていただきたくて。もっと楽しんでいただくためには何ができるだろう?と考え続けています」

個性豊かなスタッフが仲間に
スタッフが増えたこともまた、大きな変化の一つ。
blankで働いている時間が束の間の自分時間にもなっているママがいたり。
コーヒー屋さんと掛け持ちするほどのコーヒー好きがいたり。
お菓子作りが得意なスタッフがいたり。
試行錯誤しながらみんなで作り上げていくというムーブができてきたいま、blankはさらに彩り豊かで心地よい空間に育っているように感じます。

店内に飾られているこのナマクビ…いえ、彼女は「ブランクさん」。家具よりも先に購入が決まったというエピソードつきです。お店をいつも笑顔で見守っている彼女もまた、スタッフの一員なのかも?
ちなみに中川の個人的な余白は、家でテーブルに向かってコーヒーを飲みながらblankのことを考える時間だそう。「一番好きな時間ですね」とにっこり。
余白とは?
こちらはblankのロゴ。手描きの円は少し不揃いで、線も途中で切れています。完璧ではないその形にホッとするのは、もしかすると誰もがどこかに“いびつさ”を抱えているからかもしれません。
余白とはただ空いているスペースではなく、受け入れる場所であり、呼吸できる場所。そして、はみ出したっていい場所。それはゆるしやあたたかさの象徴です。
日常のなかで、いびつさをそのまま愛していけるように。そんな「余白」の場所でありたいと思っています。
もうすぐ3年目に突入するblankも、どうぞよろしくお願いいたします。