ほぼ一羽丸ごと!
大人の「鶏すき」を研究したら
思いがけず感動の味わいが生まれた

焼き鳥屋 TIMELESS

増永 大

ほぼ一羽丸ごと!
大人の「鶏すき」を研究したら
思いがけず感動の味わいが生まれた

Timelessでは個室でお楽しみいただく 鶏すき焼きのコース を初夏からご提案してきたのですが、秋冬に向けたリニューアルのための試作会を先日開催したところ、想像以上に大盛り上がり!

いくつか変化球の具材にもチャレンジしてみたところ大正解。単調になりがちなすき焼きに緩急が生まれて、最後までおいしい驚きが続く、新感覚の上質な味わいが生まれました。

ここからまた改良が入りますが、ワイワイと盛り上がった試作会の様子をぜひ一緒にお楽しみいただければと思います!

純系名古屋コーチンを使用しました

やっぱり主役は鶏肉。今回使ったのは純系名古屋コーチン。「すき焼きには、身が締まって味が乗ってくる180〜200日齢のものが最適なのではと思います」と杉本。

鶏すき文化が根付く名古屋で老舗の名古屋コーチン専門店からお肉を仕入れました。手羽先、手羽元、もも肉、むね肉、キンカン、ずり、ハート、肝、せせり、卵管、はらみ、ささみ、首回りの脂…など、ほぼ一羽を食べ尽くす贅沢なラインナップです!

ちなみに純系名古屋コーチンとは、愛知県内・愛知県境で飼育された地鶏の呼称のことで、100%純血の鶏肉!その分お値段もしますがとってもおいしいんです。(実は地鶏って“在来種由来の血統が50%以上であること”と定義されているので、50%を超えていれば100%の血統でなくても地鶏と名乗れるんです)

そしてキノコ類や野菜、ちょっと変わり種の具材も用意してみました。

「秋といえばキノコかなと。お客さま的にもテンションが上がるラインナップにしてみました」と増永。キノコ類は香り高い松茸のほか、黒あわび茸やハナビラタケ、ヒラタケなどをたっぷりと用意。

葉物にはクレソン、セリ、わさび菜、三つ葉といった香草のほか、トマトやじゃがいも(インカのめざめ)、さつまいもなども試してみることにしました。

変わり種として用意したお餅、チーズ、オレンジがかなりのポテンシャルを発揮することを、後半戦になって実感することに…!

まずは鶏のおいしさを存分に堪能してみる

鶏の首回りの脂をじっくり溶かし、最初に玉ねぎを投入。
もも肉やさつまいも、じゃがいもをイン。
すでにおいしそう!

味の決め手になる割り下は、焼き鳥のタレをベースに作ったもの。焼いた鶏ガラの香りを醤油に移し、ザラメで甘みを加えてまろやかに仕立てたTimelessの特製です。

おいしさを噛み締めて、しばらく静まり返っていたシーンです(笑)

「鶏肉がとにかくおいしい。
しっかり煮ても負けない濃い味ですね」
「ほくほくの芋に旨みが染みて最高。
具材としてめちゃくちゃアリやなぁ」

鶏や野菜の旨みが溶け出し、煮込むほどに味わい深くなっていきます。

Timelessの鶏すきには「清涼感」と「酸味」の要素が重要かも!

ずっと同じ味のトーンが続きがちなすき焼きを、いかに飽きずに楽しんでいただくかは大きな課題。

ここで、鮮烈な香りの松茸やクレソンなどの香草類、トマトのさっぱりとした酸味を加えてみることにしました。

キノコの王様・松茸。鶏の旨みが効いた濃厚な鍋に入れてもしっかりと存在感を放つ香りの良さに、全員感動!

クレソンやセリの香りは、フレッシュな清涼感をもたらす名脇役。これぞ大人のすき焼きって感じ。

この日使用した三つ葉は意外にも香りが弱め。「水耕栽培ではなく、土でたくましく育ったワイルドな香りの香草が合うのかも?」という意見も。

トマトを入れると見た目にも華やかになっていいですね。

「トマトとの相性、いいですね」
「さっぱりとした味の変化はいいけど、
ちょっと水っぽくなるかも?」
「しっかり煮詰めた自家製のトマトピューレならどうかな?」


このあたりはもう少し改良が必要ですが、酸味による味変は大正解!

「土鍋ごはんは、こうやって見せるもんや」by増永

締めに近づくタイミングで試してみたかったのが、お餅。ぐつぐつ煮詰まり濃厚になったタレが絡むことで、まるでみたらし団子のような味わいになるのでは!?との期待を込めて、いざ投入!

お餅がぷくぷくしてきました。控えめに言って最高のビジュアルです。
とろ〜り。ここで歓声が上がります。
海苔で巻いて召し上がれ!

濃厚な旨みをまとったお餅を海苔で巻いて味わう楽しさも新鮮。「これいいやん!」と、スタッフの間で大好評の具材でした。

まさかの「オレンジ」が、いい仕事をしてくれました

チャレンジ具材の第二弾が、オレンジとチーズ。これが大ヒットでした。

急遽準備したチーズはよくある市販のものなので、
味わいに余韻が残るおいしいチーズで再チャレンジしたい!

オレンジの程よい酸味と爽やかさが甘く濃いタレと見事にマッチ。果肉と皮ごと入れることで爽やかなソースのような役割となり、チーズはもちろん鶏肉とも相性抜群。驚くほどおいしい!

「チーズは真ん中にドーンと置いておいて、崩しながら鶏肉と一緒に食べるのもいいかも?」という杉本のすてきな発想に、「それもアリやな…」と唸りながら黙々と試食を続けるスタッフたち(笑)。柑橘のおかげで爽やかにいただけるので、思わず食べ過ぎてしまう危険なすき焼きです。

シャンパンなど、シュワっとしたお酒が飲みたくなってきました〜!

牛乳の入れ忘れが功を奏した!?

実は割り下をまろやかにする目的で牛乳を使おうと思っていたのですが、入れるのを忘れてしまいまして(笑)。最後に思い出して少しだけ入れてみたのですが……

一旦よけておいた鶏肉も再びイン。

一同が「え…?」とざわめくぐらい、爆発的に旨みが増しました。もうこれだけで完成された立派な料理のよう。しかも牛乳とオレンジにより、どこか洋風な味わいに鮮やかに変化。

この最高においしいソースを余すことなく味わってほしい!という思いから、「系列店のベーカリーバカンスのパンを添えてみる?」もしくは「自社農園のお米を入れて、柑橘が香るリゾットにするのもいいかも!?」と、みんなのアイデアがどんどん膨らみました。

後半に遊び心で加えた具材によって、新感覚のすき焼きを楽しめた試作会。

「最初はスタンダードな鶏すき。そこから松茸やクレソンの香りを楽しんで、さらに変化球へ…という流れは飽きずに楽しめそう」「この時季しか食べられないという特別感も欲しいから、オレンジ以外の季節の柑橘を使えたらいいかも」……と、味わいの緩急を考慮しながらコースを組み立てる様子は、まるでライブのセットリストを組むアーティストのよう(笑)

ワインとの相性も最高なタイムレスの鶏すき。この秋、ぜひ個室でゆっくりと楽しんでもらえたら嬉しいです!

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