火のある場所に、人は集まる。
ーTimelessの真ん中にある囲炉裏の話ー

焼き鳥屋 TIMELESS

増永 大

火のある場所に、人は集まる。
ーTimelessの真ん中にある囲炉裏の話ー

ただ火があるだけで、なぜか心がほどけます。火を囲み、語らい、食をともにする。きっとこれは、どれだけ時代が流れても変わらない人間の営みなのではないでしょうか。

今月は、Timelessの真ん中にる「囲炉裏」にまつわるお話をお届けします。

囲炉裏のある焼き鳥屋

「普段の生活で、赤く燃えている剥き出しの炭を間近で見ることってなかなかないと思うんです。それもあってか、写真を撮ってくださるお客さまも多いですね」

店長の増永が話しているのは、お店の中心にある囲炉裏のこと。

パチパチと炎が爆ぜる音、香ばしい香り、煙、熱さ。
高揚感があるのに、どこか落ち着く。それはこの感覚を、ずっと昔から本能で知っているからなのかもしれません。

囲炉裏の前のお席はほかに比べると少し暑く、灰が少し飛んでしまうことも。でもあえてそこに仕切りを設けないようにしているのは、Timelessでは原始的な感覚を大切にしたいと考えているから。むしろ最高のライブ感を味わえる特等席として、ぜひお楽しみいただけたらと思っています。

ちなみに5月の時点ですでに、「そういや去年は扇風機あったやんな? あれ、持ってきてよ〜」とのご要望も(笑)。囲炉裏の前でハンディ扇風機、Timelessの夏の風物詩になるかもしれません(笑)

炭火が引き出す季節の味

コースのみだったオープン当初。喜んでいただきたいという気持ちが先行しすぎて、焼き鳥だけではなく囲炉裏メニューをガッツリと盛り込んだ内容だったのですが、それが逆にお客さまのお腹を圧迫させる事態に(笑)

焼き鳥+αとして選んでいただくというスタンスに変わってから、お客さまにはより自由にお楽しみいただけるようになり、私たちもまたこのお店のあり方が明確になったような気がします。

焼き鳥とはまた異なり、季節の移ろいを味わえるのも囲炉裏の楽しみの一つ。

お客さまにはこのように
当日のラインナップをご紹介しています

ちなみに取材時は、長期飼育された花乃牛のトンビ(肩肉)や、メヒカリ、塩干しのイワシ、サワラの西京漬などが登場。千葉の天然ハマグリとサザエは酒蒸しにしてエスカルゴバターを合わせてご提供します。

6月ごろからは稚鮎も登場。弊社社長・神尾の山口県の農家さんのつながりで、釣れる限り長期にわたって提供してくださる鮎は、その成長や脂の乗り方の変化も楽しむことができます。

鶏肉はもちろんですが、魚や野菜、果物など、日本全国の生産者さんとの出会いもこれからのテーマ。

囲炉裏や一品、飲み物などさまざまなメニューをとおして、おいしさをお届けしていけたらと思っています。

囲炉裏は、囲むもの

「実はオープンして間もないころ、神戸の料理人さんたちにこの囲炉裏の使い方を尋ねてみたことがあって。熱を放射するので焼きづらく、どうやって使えばいいのか意外とみなさんも迷っていました」と杉本。

ところが、囲炉裏は文字通り「囲むもの」。もともと調理器具に特化していたわけではなく、暖房として周囲を温めたり、近くを照らす役割を果たしたり、煙が家屋の木材を燻して防虫・防腐効果をもたらしたり。いつも家の中心にある存在だったはず。

それに気づいてからは、「囲炉裏がそこに存在していること」「囲炉裏を囲むこと」がまず大切なんだと腑に落ちたと話します。

昔ながらの家のように、Timelessは囲炉裏を囲む店。ぜひカウンター席で、一緒に団らんしませんか?

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