【バカンス、奈留島へ行く#1】
神戸から離島へ
パンがつなぐものがたり
episode0
長崎県・五島列島。
そのほぼ真ん中に、奈留島という豊かな自然に囲まれた島がある。
人口およそ1700人。この小さな島から『ベーカリーバカンス』のオンラインショップに注文が入ったのは、2025年8月のことだった。
そして備考欄には、こんなメッセージが添えられていた。
「初めて購入します。離島のため、パンをお取り寄せするのが楽しみです」
自分たちのパンを遠い場所で楽しみにしている人がいる。そう知った、『ベーカリーバカンス』店長の村本と『ル・クロワッサン・ド・バカンス』店長の追中。
誰かのために全力になる。
そんな店長たちによる、パンがつなぐものがたりが動き出した瞬間だ。
神戸から奈留島まで、総移動距離841km。
島のみなさんと子どもたちに“バカンス”を届ける、一大プロジェクトが始まった。
パンがつなぐものがたり『バカンス、奈留島へ行く』シリーズは全5回。
第一回は、島との交流が生まれた“エピソード0”からスタート!
「ぜひ、島に来てください」
冒頭でお伝えしたとおり、始まりはオンラインショップの注文だった。
「購入後にお送りするメールに、私からも『奈留島にぜひ行ってみたいです』と添えたんです。その後、インスタでタグ付けしてパンを紹介してくださって。そこからDMのやり取りが続きました」
そう話すのは、ショップの運営を担当するスタッフの住本。

貴重な機会を逃すまいと、なんと2ヶ月後の10月には弾丸で現地へ。
「島の人からは『え、神戸のパン屋の人!?』と驚かれましたね(笑)。でも、実際に顔を見てご挨拶することができて本当に良かった。多くの方から『ぜひ島でおいしいパンを売ってほしい』と声をかけていただいて、すぐに店長に相談しました」

それに、みなさんがバカンスのパンを楽しみにしてると聞いて心からうれしかったんです。そういう気持ちに、僕たちは全力で応えたい。だからこそ、このプロジェクトをしっかりとしたものにしようと気合いが入りました

しかも、子どもたちもパンづくりに興味を持ってくれているそうなんですよ。みなさんに期待してもらっていると知って、本当にうれしかったです
自分たちに一体どんなことができるのか、店長たちは想いを巡らせていた。
島の声を形にした「バカンスマルシェ」
まちづくり協議会、ゲストハウスや宿、カフェ、スーパー。たくさんの方の協力を得て実現したプロジェクト。
4月25日(土)・26日(日)にかけて、いくつかのイベントを行うことが決まった。
島のみなさんの一番のリクエストであるマルシェは初日に開催。
看板商品の「バカンス」をはじめ、奈留島の塩を使った塩パンや食パンなどのハード系やクロワッサンを販売する。


パンを通して、子どもたちの記憶に残る時間を
2日目のパン教室では、島の子どもたちにクロワッサンづくりをレクチャーすることになった。
参加するのは、小学生から高校生まで9名。
なかには将来パン屋さんになりたいという子もいるそうだ。
二人はこの時間をどんなものにしたいと考えているのだろうか?


同じく2日目には、焼き立てのパンを味わっていただけるコラボカフェも開催予定。
パン職人にとって、お客さまのリアルな反応をその場で見ることができる機会は意外と多くない。
どんなリアクションや発見があるのか、出発前から期待に胸が膨むばかりだ。
思いがけず動き出した、神戸と奈留島が交差するものがたり。
次回からはいよいよ、島に到着した店長たちの様子をお届け!
